行政書士

民法95条『錯誤』による無効とは?

今回は民法95条の『錯誤』について説明していきます。

『錯誤』ということなのでなんとなく『勘違い』ということは想像できるのではないでしょうか?

ではこの『錯誤』が発生した時にどのような法律行為が発生するのでしょうか?

この記事を読んでいただければその答えが分かります。

今回の記事を読むメリットは次の3つです。

今回の記事のメリット
  1. 錯誤とは何かがストーリー形式で分かる
  2. 錯誤の2つのパターンを知れる
  3. 錯誤が発生した時にどのような法律行為が発生するのか分かる

民法での『錯誤』について1つ1つ説明していくのでぜひ最後まで読んでみてください。

錯誤とは?

錯誤とは文字通り『勘違い』のことをさします。

そしてこの『勘違い』が発生した時の法律行為を無効にすることができるというものです。

ストーリー形式で『錯誤』について例題を見ていきましょう。

この有名ブランドのバッグが今なら1万円で買えるよ〜〜!!さぁどうだい??

え、このブランドのバッグが1万円!?

今だけの限定価格だよ!お兄さんどうするよ?

今月は金欠だけど、今買っておかないとすぐに売り切れてしまうだろうな‥

限定10品だけだよ〜

分かりました!買います!

こうして金欠の学生Bくんは普通なら10万円以上もする高級ブランドのバッグを一万円で購入したのでした。

しかしこのバッグ、実は原価300円の高級ブランドの偽物バッグだったのです。

原価300円の偽物バッグをまんまと買っていったな。

実生活でもこういう偽物販売ってよくありますよね。

この場合Aくんは本物のバッグと勘違いをして購入をしました。

そこで登場するのがこの民法95条の『錯誤』です。

95条
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

表意者(Aくん)は重大な過失がなければ法律行為の要素に錯誤があった時には無効にすることができます。

ここでのポイントは錯誤を主張できるのは表意者(Aくん)だということです。

この場合で考えると売主のBさんが法律行為の無効を主張をするのはおかしいですもんね。

錯誤の2つのパターン?

錯誤には要素の錯誤と動機の錯誤の二つのパターンが存在します。

この要素の錯誤の時には法律効果を無効にすることができるのですが、動機の錯誤の時には法律効果を無効にできないことがあります。

ではこの二つはどのように違いがあるのでしょうか?

それぞれのパターンを解説していきます。

要素の錯誤

まず要素の錯誤についてです。

どんなパターンの時に『要素の錯誤』になるのでしょうか?

例えばカバンを購入するつもりだったのに間違えて時計を買ってしまった時には要素の錯誤に当たります。

100万円のものを1000万円で買ってしまった時も『要素の錯誤』だと言えます。

簡単にいうと、『何を』『いくらで』という契約の根本に錯誤がある場合の時には『要素の錯誤』になります。

なかなかこんなミスはしないと思いますが笑

『何を』『いくらで』という契約の根本に錯誤がある場合→『要素の錯誤』

動機の錯誤

ではもう一方の『動機の錯誤』はどんなパターンの錯誤なのでしょうか?

『動機の錯誤』は『要素の錯誤』とは違い、『何を』『どのくらい』という契約の根本の部分に錯誤がないものです。

例えば、AさんがB不動産から土地を購入しました。

Aさんはこの付近にオリンピックに向けて施設で建設されるという情報を聞きつけたからです。

しかし、実際にはこの土地の周りにオリンピックの施設が建設されることはありませんでした。

この場合Aさんが土地を購入した理由は『動機の錯誤』なので、Aさんはこの法律行為を錯誤として原則無効にすることはできません。

動機そのものが思い違いに基づくもの→『動機の錯誤』

ただし、一つだけAさんにも逃げ道が存在します。

それがB不動産がAさんがオリンピックの施設ができるという理由で土地を購入することを知っていた時(悪意の時)には無効にすることができる可能性があります。

取引の相手方が悪意(知っていた)場合には無効にすることができるかもしれないのです。

動機の錯誤は必ず無効にできる訳ではないという点に注意だ!

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は民法『錯誤』の無効について説明してきました

今回の内容を簡単にまとめると次のようになります。

まとめ
  1. 法律行為の要素に錯誤があったときは無効になる
  2. ただし表意者に重大な過失があった時にはこの限りではない
  3. 動機の錯誤の場合には必ずしも無効にならない

錯誤には2つのパターンがあり、『要素の錯誤』の場合には原則無効になりますが、『動機の錯誤』の場合には相手方が悪意の時でなければ無効にはならない!ということを理解しておきましょう。

『要素の錯誤』は無効になるが、『動機の錯誤』の場合には相手方が悪意の時でなければ無効にはならない

では、最後までお読みいただきありがとうございました。

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