行政書士

民法632条の請負契約とは?

今回は民法632条の請負契約について説明していきます。

“お悩み君”
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請負契約ってどんな内容の契約なんだろう?

今回はこんな疑問を持っている方にオススメの内容です。

今回の記事を読んでいただければ次のようなことが分かります。

今回の記事で分かること
  1. 請負契約とは何か?
  2. 請負契約の報酬について
  3. 請負契約の解除はできるのか?

ぜひ最後まで読んでいただき請負契約に関しての理解を深めていただければと思います。

請負契約とは

では請負契約とはどんな内容なのでしょうか?

民法の632条には請負契約について次のように規定されています。

第632条
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

つまり請負契約とは、仕事の完成と報酬を支払うことをお互いに約束した段階で契約が成立します。

請負契約は仕事の完成と、報酬の支払いを約束することによって成立する

請負契約の報酬

さてでは請負契約の報酬はどのタイミングで支払われることになるのでしょうか?

その答えはズバリ、仕事の目的物の引き換えと同時にです。

つまり目的物を完成させなければ、報酬をもらうことができないのです。

これが民法の633条に規定されています。

第633条
報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。

例えば家の建設を請負していたとすると、完成した家と代金の引き渡しを同時にすることになります。

“ハカセ 民法”
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請負契約における報酬の支払いは完成物と引き換えだ!

瑕疵修補請求

では請負契約の目的物に瑕疵があったような場合にはどうなるのでしょうか?

例えば不動産の建築について請負契約を締結していましたが、完成した建物に瑕疵があったようなケースです。

この場合には注文者は請負人に対して瑕疵修補請求をすることができます。

簡単にいうと、瑕疵を修理しろということができるんですね。

多額の費用がかかる場合には修理を請求できない

ここが注意するべきポイントが、瑕疵が重要でなかったり修補にかなりのお金を必要とするような場合には瑕疵修補請求はすることができないということです。

なんでもかんでも修理しろと言われてしまうと請負人もたまったもんじゃないですし、修補に莫大な費用がかかるのは請負人にとって酷だと民法では考えるのです。

この内容を簡潔に表しているのが民法の624条になります。

第634条
1. 仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない

目的物に瑕疵がある時には注文者は瑕疵の修補を請求できるが、瑕疵が重要でなく、修補の費用がめちゃくちゃ高い時にはできないから注意しろよ!

請負契約での損害賠償請求

注文者は瑕疵があった時には瑕疵修補請求の代わりに損害賠償の請求をすることもできます。

それが民法の634条になります。

第634条
2.注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。

つまり注文者は修理する代わりに損害賠償を払え!と請求もできますし、修理してさらに損害倍賞を支払え!とも請求することができるのです。

注文者の解除

では注文者は請負契約を途中で解約することはできるのでしょうか?

請負契約の解除については民法641条に書かれています。

第641条
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。

つまり仕事が完成するまでの間であれば、注文者はいつでも『やめた』ということができるんですね。

ただし契約の解除の際には損害を賠償する必要があります。途中でやめるのならきちんと責任を取れということですね。

瑕疵による解除

これとは別に、目的物の完成後であっても瑕疵によって契約の目的を達成することができない場合には注文者は契約の解除をすることができます

ただし目的物が建物やその他土地の工作物の場合には解除することはできません。

建物や土地の工作物は建築までにたくさんのお金と時間を使うのでやっぱり辞めますとなると大きな損失となってしまうからです。

第635条
仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。

瑕疵によって契約の目的を達成できない時には解除できるが、建物や土地の工作物の場合には対象外になるぞ!

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は民法632条の請負契約について説明してきました。

今回の内容を簡単にまとめると次のようになります。

まとめ
  1. 請負契約は仕事の完成と報酬を支払うことをお互いに約束した段階で成立
  2. 請負契約の報酬は仕事の目的物の引き換えと同時
  3. 目的物に瑕疵がある時には注文者は瑕疵修補請求もしくは損害賠償の請求ができる
  4. 目的物が完成するまでは’注文者はいつでも倍賞をして契約を解除できる
  5. 建物や土地の工作物の場合以外には完成後でも契約の目的が達成できなければ解除できる

今回の記事の中でわからないことや、もっとここが知りたい!などあればぜひコメントお待ちしております。

では最後までお読み頂きありがとうございました。

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