今回は占有訴権の3つの方法について説明していきます。
こんな悩みを持っている方に向けて今回の記事は書いていきます。
今回の記事を読んでいただければ、それぞれどんな時に使うことができるのかが理解できます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
占有訴権とは?
占有訴権とは占有を侵害された場合に使える権利のことを言います。
簡単に言うと自分の所有物から出て行け!と言える権利のことです。
この主張する時には大きく3つの方法があります。
- 占有回収
- 占有保持の訴え
- 占有保全の訴え
ではそれぞれがどのような方法なのかを1つずつ説明していきますね。
占有回収
占有回収の訴えは占有する動産が奪われた時に使えます。
民法200条には占有回収の訴えについて次のように規定されています。
第200条
1. 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。2. 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。
つまり、占有者が動産を奪われた時にはこの占有回収の訴えを使って、物の返還と損害賠償の請求をすることができます。
占有回収の訴えができないケース
2項には特定承継人には提起することができないと規定されています。
特定承継人とは、盗人から動産をさらに買い取った人のことです。
この特定承継人がもし略奪の事実を知っていれば、動産の占有者はその人に対して『返せ!』と言えるのですが、知らなかった場合にはその主張をすることができないのです。
あくまでも民法は善意の人を保護しようと考えているのです。
占有保持の訴え
占有者の占有する建物に不法占拠者が不法占拠しているような場合に使える方法がこの占有保持の訴えになります。
民法198条には占有保持の訴えについて次のように規定されています。
第198条
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
つまり、実際に占有物が不法占拠されている時には、占有者は妨害の停止と損害の賠償を同時にすることができます。
妨害の停止と損賠の賠償のどちらか一方だけではなく、両方同時にできることに注意しましょう。
占有保全の訴え
占有保全の訴えは、これから占有を侵害される恐れがある時に使うことができる方法です。
あくまでもまだ占有を侵害されていないというのが先ほどの占有保持との違いになります。
民法199条には占有保持の訴えについて次のように規定しています。
第199条
占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。
つまり、占有保持の訴えでは妨害の予防、または、損害賠償の担保を請求できるという点に注意しましょう。
まとめ
今回は占有訴権の3つの方法についてまとめてきました。
今回の内容を簡単にまとめると以下のようになります。
- 占有回収の訴えは動産が奪われた時は占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる
- 占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる
- 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる
3つの占有訴権はどのような場面にどのようなことを請求することができたかをしっかりと覚えておきましょう。
今回の記事を読んでわかりにくかった箇所や、ここをもっと知りたい!などあれば是非コメントをお待ちしております。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
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