今回は法定代理と任意代理の違いについて説明していきます。
代理には法定代理と任意代理の2つがあります。
どちらも代理には変わりないのですが、意味合いが少し違います。
今回の記事を読んでいただければ次のようなことが分かります。
- 法定代理とは何か?
- 任意代理とは何か?
- 権限の定めがない代理人は何ができるのか?
代理の分野は1つ1つしっかりと抑えておけば得点アップにつながりやすい分野なのでぜひ最後まで読んでみてください。
法定代理とは?
法定代理とは、法律で定められた代理人のことです。
例えば、未成年者の親や、成年後見人などのこと言います。
法律で定められているので、直接頼まれて代理をするわけではないんですね。
法定代理人ができること
また法定代理人のができる代理の行為は法律によって定められています。
主に次の3つが法定代理人ができることとされています。
- 未成年者の行う法律行為に同意を与える権限(同意権)
- 未成年者を代理して財産上の法律行為をする権限(代理権)
- 未成年者が同意を得ずにした法律行為を取り消す権限(取消権)および追認する権限(追認権)
任意代理とは?
一方で任意代理とは、本人が自らの意思によって代理権を与えた代理人のことをいいます。
例えば、弁護士や行政書士に仕事を頼むとするとこれが任意代理人になります。
任意代理人ができること
本人が依頼するので、法定代理人とは違って代理権の範囲は契約の内容によって決まります。
例えば家の登記を代わりに変更してくれであったり、裁判を代わりにやってくれという感じに内容によってできることの幅が違います。
では任意代理人と本人との間で代理権の範囲を決めていなかったような場合にはどうなるのでしょうか?
例えば、本人が代理人に対して持ち家のことを任せると言ったものの、具体的にどのようなことができるのかを決めていないケースです。
代理権の範囲が決まっていない場合
代理権の範囲が決まっていない場合には民法の103条が適用されることになります。
第103条
権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
1項の保存行為とは、例えば家の修理をしたり、未登記不動産の登記や、消滅時効の中断などのことです。
あるものをきちんと保存しておくために必要な行為のことですね。
2項に書かれている利用または改良とは不動産を利用したりリフォームしたりすることです。
これらのことは権限の定めがなくともできる行為となります。
また本人から預かった現金を銀行に預けたり、金銭を利息付で貸し付けることもできます。
ある程度はできるようにしておかないと、代理人なのに何もできない!ということになってしまいますもんね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は法定代理と任意代理の違いと、代理人の権限の定めがない場合にできることについて取り上げてきました。
簡単にまとめると以下のようになります。
- 法定代理人は法律で定められた代理人
- 任意代理は本人が自らの意思によって代理権を与えた代理人
- 権限の定めがない代理人ができることは保存行為と権利の性質を変えない範囲内での利用又は改良を目的とする行為
代理人の種類によってどのようなことができるのか?をしっかりと抑えておきましょうね。
では、最後までお読み頂きありがとうございました。
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