民法

民法162条の『取得時効』のポイントをわかりやすく解説します

今回は民法の『取得時効』について説明していきます。

“お悩み君”
“お悩み君”
取得時効ってなんなの?どういう制度なのかわかりやすく教えて欲しい

今回はこんな疑問を解決していきます。

今回の記事を読んでいただければ次のことがわかります。

今回の記事で分かること
  1. 取得時効とは何か?
  2. 取得時効の成立要件
  3. 前主が善意と悪意の場合による時効期間の違い

ぜひ最後まで読んでみてください。

取得時効とは?

時効には『取得時効』と『消滅時効』の2つが存在します。

簡単にいうと『取得時効』はある一定の期間が経過すると権利を取得することができ、『消滅時効』はある一定期間が経過すると権利が消滅するというものです。

今回は2つの時効の効果のうち、『取得時効』についての解説していきます。

消滅時効については消滅時効については別の記事に取り上げていますので、そちらも参考にしてみてください。

http://kiokunokiroku.com/%e6%b0%91%e6%b3%95%ef%bc%91%ef%bc%99%ef%bc%99%e6%9d%a1%e3%80%8e%e6%b6%88%e6%bb%85%e6%99%82%e5%8a%b9%e3%80%8f%e3%81%ae%e8%b5%b7%e7%ae%97%e7%82%b9%e3%81%a8%e4%b8%ad%e6%96%ad%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84/

取得時効の例

ではわかりやすいように『取得時効』の例をみてみましょう。

登場人物は農家のAさんとBさんです。

こんにちはBさん。今日も暑いですね〜

これはどうもAさん、本当ですね。今日も一日頑張りましょうね。

一見仲の良さそうな2人ですが、このAさん実はあることを企んでいたのです。

そう、なんとAさんはBさんとの境界線をわざと超えてBさんの土地まで耕していたのです。

バカなBさんめ。このまま20年が過ぎればBさんの土地は俺のものになる。

そう、これこそが『取得時効』なんです。

このまま20年間Bさんが何も文句を言わずにいたらBさんの土地はAさんのものになってしまうのです。

Bさんからしたらとんでもない法律ですよね。

そして20年が経過。。。。。。

今日で20年だ!Bさんの土地は俺のものだ〜!

うそーん。こんなおかしなことがあっていいのか〜〜〜〜

どうですか?『取得時効』のイメージは掴めましたか?

なかなか客観的にみるとヤバめの法律効果ですね笑

取得時効の要件

では取得時効にはどんな条件があるのでしょうか?

その答えが民法の162条に規定されています。

第162条
20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

162条に書かれてある取得時効の要件をまとめると次のようになります。

  1. 20年間
  2. 自主占有(所有の意思を持っている)
  3. 平穏
  4. 公然
  5. 他人の物の占有

この5つの条件を満たすことで『取得時効』が成立します。

そしてここがポイントで、上記の2~4は占有者(先ほどのA)がそうであったと推定されるのです。

つまり、Bさんが上記の推定を覆す立証をしなければ土地はAさんのものになってしまうのです。

法律は時効取得しようとする人の方を有利にしているわけです。

善意の時には10年で時効成立

先ほどの例題ではAさんは明らかに悪意でした。

なんたって20年の取得時効を狙ってわざと隣のBさんの土地を耕していましたもんね。

しかし、もしもAさんが占有を開始するときに善意だった場合はどうなるのでしょうか?

なんと善意の時には『取得時効』の10年とさらに短くなるのです。

162条2項
10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

ここのポイントは占有の開始のときに善意ということです。

つまり占有を開始した後に悪意に変わったとしても10年で『取得時効』を使うことができるのです。

善意か悪意かの判断は占有開始の時で判断するということに注意が必要だ!

占有の承継

『取得時効』では前主の占有を引き継ぐことができるということも大きなポイントの1つです。

民法187条には前主の占有を引き継ぐことができると規定されています。

第187条
1.占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる
2.前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。

例えば善意の前主から占有を受け継いだ悪意の人は何年間で『取得時効』を援用することができるのでしょうか?わかりやすいように図にしてみます。

前主が善意の場合


『取得時効』を援用するには二つの方法があります。

1つ目が自分の占有のみを主張する方法です。

この場合だとBは悪意なので20年間になりますね。

もう一つの方法が前主の占有を併せて主張する方法です。

Aさんは善意なので10年間で『取得時効』を援用することができますね。すでに8年間占有を続けているので、受け継いだBさんは2年間だけ占有を続ければ『取得時効』を援用できるのです。

条文の占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができるとはそういう意味です。

では逆のパターンでも考えてみましょう。

前主が悪意の場合

今回は悪意のBさんから善意のAさんが占有を受け継いだ場合です。

この場合Aさんだけの占有を主張するのであれば善意なので10年間になりますね。

ではBさんの占有を併せて主張するとどうなるでしょうか?

その場合にはBさんは悪意なので20年間の占有が必要になります。

すでにBさんは8年間の占有をしていたのでAさんは残り12年間で『’取得時効』の援用ができることになります。

このように取得時効は2つの方法で時効を援用することができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は『取得時効』について説明をしてきました。

今回の内容をまとめると次のようになります。

まとめ
  1. 消滅時効が成立するには5つの要件がある
  2. 善意の占有者の時効は10年、悪意の場合には20年
  3. 占有者は前主の占有を承継することができる

占有を何十年と続けることで自分のものになってしまうってよく考えたらとんでもない法律ですよね笑

次回はもう一つの『消滅時効』についても説明していくので是非参考にしてみてください。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。

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